虫歯と歯の質の関係性
6月から虫歯になる原因についてお話ししてきました。
虫歯になるには4つの要因があり、その全てが満たされた時に発生します。
虫歯になる4つの要因
①人それぞれの『歯の質』
②歯の周りに酸が停滞する『時間』
③食べ物に含まれる『糖分』
④口の中にいる『菌』
今回はいよいよ最後になります。
『歯の質』について詳しくお話ししていきます。
『歯の質』とはその人が元々もっている宿主因子であり単純にエナメル質が強い、という事だけではありません。
唾液の量や歯並び、年齢、さらには生活習慣なども関係してきます。
『歯』事態の要因としては、
エナメル質の厚みや表面の状態(凹凸など)
歯の形態(歯の溝の深さ、複雑な形態)
乳歯・幼若永久歯の特性
などがあります。
エナメル質とは歯の表面にある一番固い歯質の事です。
エナメル質が丈夫だと虫歯にはなりにくくなります。
しかしエナメル質の形成は産まれる前の環境・歯胚形成期の環境・歯が生えてきてからの環境が強く関係しており個人差があります。
また乳歯と永久歯でも違う特性があります。
歯の硬さは、永久歯の方が乳歯より硬く、歯質も違います。
エナメル質、象牙質ともに乳歯の方が薄いため、虫歯に対して防御力はほとんどありません。
歯髄腔(神経が入っている管)は、乳歯の方が大きいため小さい虫歯でも神経に到達しやすい傾向があります。
永久歯でも生えかけの幼若永久歯は、エナメル質の形成がまだ不十分でかつ、清掃も難しいため虫歯になりやすいです。
歯を取り巻く環境も宿主因子のひとつです。
歯並びが悪いと歯と歯の重なりの清掃も難しいことからプラークが着きやすくなります。
一度虫歯を治療したところもミクロ単位での段差によってプラークが着きやすくなります。
唾液の量が少なくなると、口腔内の自浄作用が低下や口腔内を中性に戻す緩衝作用の低下により歯を酸に溶けやすい環境にしてしまうこともあります。
またストレスによる歯ぎしりや免疫力の低下も影響を与えます。
このように様々な要因が『歯の質』として存在しています。
歯の形態を変えたりすることは難しいですが、虫歯になりにくい環境を作る事は可能です。
生活習慣の中では、
1日に2回以上の歯磨き(プラーク形成を防ぐ)
歯の表面のエナメル質と結合して歯質を強くする働きがあるフッ素の配合された歯磨き粉を使用する。
定期的な歯科の受診。
などがあります。
また、お食事は良く噛むことで唾液の分泌を促し、丈夫な歯を育てるために、タンパク質・カルシウム・リン・ビタミン(A、C、D)などの栄養素を採り、バランスの良い食事を心がましょう。
2ヶ月にわたって虫歯についてお話ししてきましたがいかがでしたか?
今日から取り組める虫歯予防もたくさんありますのでぜひ試してみてくださいね!