お口の乾燥と唾液腺の関係
梅の花も見頃を迎え、いよいよ春ですね。
前回のブログでは花粉症の時期にお口が乾燥しやすくなるというお話をしました。
口呼吸やお薬の影響によって、唾液の分泌に変化が起きる事でお口の乾燥に繋がります。
皆さんは唾液がどこから分泌されているかご存知ですか?
普段は気にする事の無い『唾液』ですが、唾液の分泌やメカニズムを理解するとお口の乾燥を和らげる事が出来ます。
今回は唾液の出る管、唾液腺についてお話します。
お口の中にある唾液腺は全部で7つあり、そのうち『耳下腺』『顎下腺』『舌下腺』が大唾液腺として大きな役割を担っています。
①耳下腺
サラサラとした漿液性の唾液を分泌。
主に消化酵素を分泌します。
食事の栄養素を消化し、体内への吸収を補助する役割があります。
分泌速度が速く、刺激時に分泌されます。(食事中など)
②顎下腺
サラサラの唾液とネバネバの唾液の両方を分泌しますが、サラサラの唾液の方が多く出る漿液性優勢混合唾液です。
糖タンパク質を分泌します。
口腔や咽頭粘膜を菌やウイルスから守る役割を担っています。
安静時、睡眠時に分泌されます。
分泌量は刺激時の1/10くらいで、分泌速度も遅いです。
安静時唾液が40~50%減少するとドライマウスを発症します。
ドライマウスの発症には顎下腺の機能が深く関与しているとされています。
③舌下腺
ネバネバとした粘液性唾液を分泌します。
顎下腺と同じように糖タンパク質を分泌します。
口腔や咽頭粘膜を菌やウイルスから守る役割を担っています。
こちらも顎下腺と同じように安静時、睡眠時に分泌され、分泌量は刺激時の1/10くらいで、分泌速度も遅いです。
それでは、唾液をたくさん出すには、どうしたら良いのでしょうか。
唾液分泌をコントロールしているのは、自律神経です。
交感神経(興奮状態)が優位になると、唾液が減り口の中が乾きます。
逆に副交感神経(リラックスしている状態)が優位になると、唾液が増えます。
つまり、ストレス状態を避け、リラックスすることが大切になります。
他にも唾液を分泌させる方法はいくつかありますが、まずは暖かい陽気の中で身体と心を少し休ませてお口の乾燥を改善させましょう。