歯周病の原因について

歯周病の原因には4つのリスクファクター(危険因子)があると考えられています。※図参照

 

 

 

 

この中でも今回は微生物因子についてお話します。

■微生物因子

微生物因子=お口の中の細菌

歯肉炎・歯周炎を含む歯周病の直接的な原因は、歯垢(プラーク)です。歯垢(プラーク)は生きた細菌の塊で、そのほとんどが酸素の少ない場所を好むため、歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)に潜んでいます。

それではまず、歯垢(プラーク)について詳しくお話します。

お口の中にはおよそ300~500種類の細菌が住んでいます。

これらは普段あまり悪いことをしませんが、ブラッシングが充分でなかったり、砂糖を過剰に摂取すると細菌がネバネバした物質を作り出し、歯の表面にくっつきます。

これを歯垢(プラーク)と言い、粘着性が強くうがいをした程度では落ちません。

この歯垢(プラーク)1mgの中には10億個の細菌が住みついていると言われ、むし歯や歯周病をひき起こします。その中でも歯周病をひき起こす細菌が特異的に存在していることが解明されています。

多くの文献で歯周病原因細菌と考えられている細菌は主に4つあります。

・A.a菌(Aggregatibacter actinomycetemcomitans                 旧Actinobacillus actinomycetemcomitans)        比較的若年の歯周病患者から検出されます。
この菌は歯周病の進行が早く重症になるのが特徴です。

・P.g菌(Porphyromonas gingivalis)                          成人の重度歯周病患者から検出されます。特に歯周病の進行が著しい部位に高率に検出されます。

・P.i菌(Prevotella intermedia)                                    進行した歯周病患者からP.g菌と共に検出されるのが特徴です。

・B.f菌(Bacteroides forsythus)                                      歯周病患者の歯周組織破壊が激しい部位で高率に検出されます。
難治性歯周病の指標として重要な菌種です。

これらの歯垢(プラーク)中の細菌が出す毒素によって、歯ぐきに炎症が起きてしまうのです。